ニッポンバラタナゴ

基本情報

和名:ニッポンバラタナゴ 

学名:Rhodeus ocellatus kurumeus

日本固有亜種。かつては西日本に広く生息していたが、現在はさまざまな要因で絶滅の危機に瀕している。
環境省レッドリストでは絶滅危惧IA類。

生態

オスは繁殖期になると鮮やかな婚姻色(こんいんしょく)をあらわし、名前の通りバラ色になる。メスは繁殖期になると産卵管(さんらんかん)がのび、淡水の二枚貝の中に卵を産む。

左:ニッポンバラタナゴ のオス(婚姻色) 右:ニッポンバラタナゴ のメス(産卵管)

減少要因

かつては西日本に広く生息していたが、現在では絶滅危惧種IA類に指定されており、全国でも数箇所しか生息地が残っていない。
一番の要因は外来亜種である「タイリクバラタナゴ」との交雑で、日本で生息してきた遺伝子が失われている。他にも、田んぼや畑が利用されなくなるとともにため池も管理されないために起こる生息環境の悪化、ため池の埋め立てなどの生息地の消失、ブラックバスなどの外来種による捕食、河川のコンクリート化による産卵するための二枚貝の減少、農薬などの化学物質による汚染、マニアによる放流で起こる遺伝子汚染密猟による減少など多くの問題がある。

タイリクバラタナゴとの違い

ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴの違いは、腹ビレの前縁に白いラインが入るかどうかというポイントがある。ニッポンバラタナゴには白いラインが入らない個体が多く、タイリクバラタナゴは白いラインが入る傾向にある。
また、タイリクバラタナゴはニッポンバラタナゴに比べて体高が高くなる傾向にある。
※これらの違いは必ず見分けられるものではないため、ニッポンバラタナゴに似ているという理由で、移動・放流などは絶対にやめましょう。

ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴは完全に異なる種ではないため、生息地域や形態の差によって「亜種」という分類になっている。
むしろ、非常に似ているが生息地がことなるためにこれだけの差がでるということを多くの人に知ってもらいたい。生息地ごとに進化している証である。

八尾市におけるニッポンバラタナゴ

大阪府八尾市の高安地域では”きんたい”という名前で親しまれてきた生き物で、里山環境が長年保全されており、ニッポンバラタナゴをはじめとする多くの生き物が生息している。ニッポンバラタナゴ とタイリクバラタナゴは見た目だけで性格に見分けることが難しいため、ニッポンバラタナゴ に似た魚がいても持ち帰ったり、他の場所に逃したりは絶対にやめましょう。
みんなでニッポンバラタナゴ のことをよく学び、八尾市の宝とも言えるニッポンバラタナゴ を一緒に守っていきましょう。

※和名:生物につけられた日本名。

※学名:学術上の名称。国際的に統一して使用するためにラテン語で表記。





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